【寝屋川市】香里能楽堂で「引き算の文化に触れる」能楽ワークショップ開催。香里ヌヴェール学院中学校・高等学校の生徒が能楽体験。
香里ヌヴェール学院の田村かすみ先生によると、初回だった昨年は女子16名の参加でしたが、2年目となる今年は中学1年生から高校3年生までの男女30名の参加がありました。
ご覧のように、香里能楽堂は京阪香里園駅を出て京都方面に向かう線路の前に位置し、今般の京阪本線連続立体交差事業による道路拡張工事のため、2021年7月末に線路側客席部分の取り壊しが行われ、現在は客席が大幅に削減されています。
「序破急」という言葉について
「序破急」に当てはめての考え方は能をはじめ芸能全般に通じています。
寝屋川市にも縁のある秦河勝が能を作った
能楽は今から1400年近く前、聖徳太子が側近の秦河勝に作らせたのが始まりだと伝えられています。秦河勝は大陸からいろいろな技術を持って、日本にやってきました。聖徳太子と親しくなった秦河勝は朝鮮半島から持ち込んだ土木技術や政治、芸能などを日本の風土や文化に合わせて改良して伝えました。秦河勝の息子のうちひとりは政治家となり、もうひとりは能や雅楽を作ったとも言われています。記録としては、藤原京の時代から、興福寺や春日大社では薪能が行われていたということです。
【寝屋川市】寝屋川市の歴史を紐解くシリーズ第22弾!川勝町にある秦河勝の墓を訪ねて。聖徳太子の側近秦河勝は、秦の始皇帝の生まれ変わり!?
能は引き算の美学
「能・お茶・いけ花・書」は引き算の文化ですね。何故なのか。その頃の日本人は少ないことが美学だったし、現在もその考えは日本人の心に生きています。
「羽衣」の謡の練習
天人が羽衣を着て舞い始める「地次第」の部分です。
「東遊びの駿河舞。東遊びの駿河舞。この時や始めなるらん。」
「羽衣」キリを舞台で
拍子の練習のあと、実際に能面をつけての体験です。
翁の面をつけるとおじいさんに。
面をつけて実際に練習した内容を表現します。
生徒にはこの感性がとても新鮮に映ったようです。
高校3年生のある生徒は、辰巳満次郎先生のお話に大変感銘を受け、人生が変わった、大学生になってもこの分野の勉強を続けたいというという感想を寄せています。
生徒たちのしなやかで瑞々しい感性を揺さぶる貴重な体験となったようです。
※画像はすべて許可を得て掲載しております。取材協力ありがとうございました。
【寝屋川市】7月14日、テレビ大阪「やさしいニュース」で京阪の立体交差事業によって立退きになる香里能楽堂の最後の姿が放映されます!