今年は新型コロナウイルスの影響で、第102回全国高等学校野球選手権大会は開催が中止されたものの、大阪府高校野球連盟主催で独自大会「令和2年大阪府高校野球大会」が開催され、無観客ではありますが、熱戦が繰り広げられています。

寝屋川ー関大北陽　4回表、松本が二盗、三盗に続きホームスチールを決める

しかし、この大会も雨天による順延が続き、日程の調整が困難なため、決勝を行わず、8月10日の準決勝で終了することが決まっています。
なお、8月10日からは、2020年甲子園高校野球交流試合が開催されます。

寝屋川市内の高校は、同志社香里高校が7月19日、万博記念球場で箕面学園高校と戦い8-6で1回戦敗退。
また7月22日に、北かわち皐が丘高校は、豊中ローズ球場で強豪履正社高校と当たり14-1で5回コールド負けし、初戦敗退しています。

寝屋川高校グランドにて

残る1校は2018年の近畿地区大会大阪府予選準々決勝で、根尾昂（中日）や藤原恭太（ロッテ）らが主力を張った「最強軍団」大阪桐蔭を相手に九回まで４―３でリードし、後アウトひとつまで追い詰める名勝負を繰り広げ、夏の選手権大会北大阪大会でも5回戦の準々決勝で履正社高校に惜敗しベスト８の記録を持つ大阪府立寝屋川高校。
「ねやこう」の愛称で親しまれる同校は、1957年には春夏と甲子園に出場し、王貞治率いる早稲田実業と戦った歴史も持っている文武両道の伝統校。
2020年8月4日、大阪府立寝屋川高校を訪問して野球部監督の達先生にお話を伺いました。

今大会の1回戦は、7月19日、万博記念球場、関西大倉戦でした。
初戦から私学と対戦となったこの試合について、達監督は、「1回に先制し、その後攻守ともになんとか粘ることができたという大いに成長を感じる試合でした。三本間で相手ランナーをアウトにしたケースは４回ほどあったかと思います。本当によく粘りました。それにしても夏に勝つことの難しさ、夏の初戦の厳しさを感じた１日でした」と振り返っておられます。

寝屋川ー関西大倉戦

関西大倉　０００　００２　２００|４
寝屋川　　３００　００１　２０Ｘ|６

2回戦は、7月25日の予定が雨で順延となり7月30日の試合は3回表で降雨のためノーゲームになり、さらに8月2日に順延となって万博記念球場にて行われました。
　
大商学園　０１１　|２
寝屋川　　０１　　|１　　
(7月30日３回表降雨ノーゲーム)
　

大商学園　００１　００１　０２０|４
寝屋川　　０２０　０５０　１０Ｘ|８
　

降雨が続き、順延、さらに降雨ノーゲームとなり、相手を分析する時間のあったこの試合について達監督は、「相手を分析できれば戦い方が揃います。それでもうまくいかないことも多くあります。残念ながら今日の試合に関していうと「敵は我にあり」でした。」と振り返っています。
　

田中滉一キャプテン

そして3回戦は、翌日の8月3日、万博記念球場で行われました。

寝屋川　　１００　１１０　０００|３
関大北陽　１００　４１０　３０Ｘ|９
　

この3回戦が、3年生（73期生）の引退試合となりました。
達監督の言葉は次の通りです。
「初戦からの私学との連戦は３回戦の関大北陽で終わりました。
今日の試合では７盗塁。初戦からの３戦で24盗塁。
ほとんどデータのない中でのこの数字はお見事。
いい野球を見させてもらいました。
ホームスチールも含めてこの試合は覚悟を感じる試合でした。」

田中洸平キャプテンは
「入学したての春の大会ベスト16の試合で今までの野球人生で初めてホームスチールを見た。それを見てすごいチームに来たと思った。新チームになった時は主将が決まらず、試合にも全然勝てなかった。俺は自分から「主将やります。」と手を挙げた。このメンバーで勝ちたいという思いが強かった。そして自分たちの最後の試合でホームスチールを決めた。これはすごいことだと思う。」と話しました。

達監督は「自分たちで考え、気づき、行動する。そんな取り組みを１年間してきたから大阪を代表する私学の一つを相手にしても自分たちの野球を貫けるのでしょう。やっぱり寝屋川高校生は本当にすごい。そう思える試合であり、そう思える１年間でした。そして他種目の生徒からすると羨ましすぎるであろう大会期間でした。幸せな大会期間の２週間、そして１年間でした。ありがとうございました。」と感謝の言葉を述べました。

「ただあの展開に持ち込めた以上は勝たなければなりません。小さなプレーが点差を生む。それを学んでくれた74期生と75期生が明日から始まります。私自身、もっと野球を勉強して、43人と共にがんばります。」と語り、2018年の大阪桐蔭との熱戦を目の当たりにした当時の1年生（73期生）は大きく成長して引退し、新チームが始動しました。

8月４日、新チーム始動の日、寝屋川高校野球部の達監督にお話をうかがいました。

ー今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による休校期間が長く、大変だったのではないですか？

「そうですね。3月2日から休校となり、卒業式や入学式もできないまま、新学期を迎え、この休校は5月末まで続きました。6月1日から2週間の分散登校の時期も部活動を行うことはできず、6月15日からやっと練習再開、大阪府独自大会の開催までに練習試合も2回しかできないまま、大会となりました。休校期間は、学校での練習は一切できませんでしたので、こちらから特に練習メニューを与えるということはせず、自主トレは生徒個人個人に任せていました。」

ーそんな中で私学の強豪相手に2盗、3盗、ホームスチールを決めたというのは、すごいですね。寝屋高は進学校ですから、野球だけではなく、勉強もしつつ仲間とともに切磋琢磨しながら野球を続ける、これが寝屋高らしさですね。

「チームを作る上で最も考えていることは野球を好きになってもらうこと、満足度を上げることです。
昨日も引退した３年生が「達先生の野球とても楽しかったです！勉強でいい報告できるようにこれから頑張ります。高校野球続けて良かったです。ありがとうございました。」とメッセージをくれました。
こうなるために私の得意なことを生徒に伝えています。

私学相手の走塁の件ですが、究極的には盗塁を目的にしているのではなく相手を困らせたいと考えています。自分たちの力を発揮することをめざすというよりも相手に力を発揮させないことをめざしています。そのための引き出しの一つが走塁ということ。相手の心を動かす中で試合を進めるのが寝屋川高校の野球です。」

左　野崎凪　右　辻野涼介

ー捕手は全試合2年生だったのですね。長い休校期間はどのように過ごしていましたか。
関大北陽戦は投手も2年生が先発だったということですが、お話聞かせてください。

「はい。2年で、キャッチャーの野崎 凪(のざき なぎ）です。僕は休校期間は家でダンベルをしたり、淀川河川敷で、バッティング練習やキャッチボールなどをして、モチベーションと体力の維持に努めました。試合は楽しんで臨むことができましたが、負けた事はとても悔しいです。」

「僕は2年でピッチャーの辻野涼介（つじのりょうすけ）です。関大北陽戦は、自分の力が足りなかったと感じています。これから新チームになりますので、ますます頑張ります。」

8月5日には寝屋川公園球場で、大阪府立四條畷高校との練習試合が行われました。

炎天下での練習試合でしたが、四條畷高校、寝屋川高校ともに新チーム始動の感触を掴んだようです。

試合結果は２－8で、寝屋川高校の圧勝でした。
四條畷高校も寝屋川高校も両チームとも熱い監督の下で国公立大学を目指しながら甲子園でも勝てる本当の文武両道を目指す素晴らしいチームです。
中学生の皆さん、是非、熱い思いが溢れる両校野球部のブログを学校選びの参考にしてください。

短い夏休みが終わると、選抜の切符となる秋季地区大会が始まります。
大阪府は抽選が8月12日・大会日程は8月29日～10月4日です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大はまだ収束の兆しが見えませんが、来年の春の選抜は無事開催されることを祈ります。
今年は春の選抜高校野球大会が中止になったため、春の出場校で8月10日から甲子園で交流試合が行われます。

寝屋川高校72期生のラグビー部福田大河くんの記事です。

【寝屋川市】高校ラグビー日本代表に向けて！寝屋川高校ラグビー部の福田大河くんに注目！リーグ突破し、チームを牽引して花園へ。

2020年8月5日発売の the paddles（四條畷高校軽音楽部69期生）の「スノウノイズ/２２」のジャケット写真は寝屋川高校野球部OBの68期生です。さて誰でしょう？
撮影場所は淀川河川公園ですね。

【寝屋川市】8月5日寝屋川発３ピースバンド the paddles（ザ・パドルズ）初のシングル『スノウノイズ / 22』が発売されます！

2018年の近畿地区大会大阪府予選準々決勝、寝屋川VS大阪桐蔭戦の動画はこちら↓↓↓

地元の伝統校である文武両道の両校から目が離せません。
秋季大会で良い記録を残して、21世紀枠での甲子園出場を期待しています。

寝屋川高校はここ↓

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