【寝屋川市】寝屋川市の歴史を紐解くシリーズ第19弾!市指定有形文化財「菅原神社本殿」江戸時代前期の彩色を再現!

寝屋川市池田中町に鎮座する菅原神社のもともとの祭神は旧茨田郡池田中・池田川・池田下三ケ村の産土神であった大国主命だったそうです。
現在は「琴平神社」を末社として単独の祠にし、祭神に大国主命を祀っています。

江戸時代の寛永年間に菅原道真を祀るようになり、門田神社と呼ばれていましたが、1911年に葛原と点野の菅原神社が合祀され、1912年に現在の菅原神社に改められたとのことです。

現在、本殿は入母屋造桟瓦葺の社殿の中に保存されています。
これは、覆屋という方法で、覆屋とは、社殿等を保護する目的の建物です。
拝殿や本殿と繋がっていたり、壁がないものもあります。
菅原神社の場合は、壁もある覆屋の中に本殿がすっぽり入る形で、この本殿の建物が今日まで守られてきました。
本殿は、木造一間社流造の建物で、屋根は杮葺となっています。
特別公開期間中も本殿は撮影禁止となっていますが、今回、特別にご許可いただき撮影させていただきました。

各部に彫刻が施されていて、はっきりとした建築年代の記録は残っていませんが、装飾などの特徴から江戸時代前期に建てられたものと考えられ、寝屋川市の指定有形文化財に指定されています。
今般、有識者の監修のもと、修理、彩色が施されました。

正面の刳抜蟇股(くりぬきかえるまた)には、竹に虎、梅に鶯、牡丹等が見事に彫られていて、桃山時代の様式にも通じるものです。

向かって右側の蟇股は、大阪北部地震の時に、落下してしまいましたが、現在は彩色と修理が施されています。
 

妻飾も寝屋川市内の神社に良く見られる紅梁大瓶束(こうりょうたいへいづか)ではなく、豕扠首組(いのこさすぐみ)で、さらに古いものであることがわかります。

また身舎頭抜木鼻(しんしゃかつらぬききばな)や向拝頭貫木鼻(ごはいかしらぬききばな)の上は平坦になっていて、江戸時代前期に多く認められる特徴であるということです。

細部まで美しく彩色が施され、江戸時代前期の色合いが再現されました。

屋根は、杮葺になっています。

少し離れてみるとこのように本殿が覆屋の中に収まっているのがわかります。

今回、大阪電気通信大学 工学部 建築学科 矢ヶ崎 善太郎教授 (寝屋川市文化財保護審議会委員)をお迎えして、「菅原神社本殿の特徴と彩色」をテーマに講演をお願いし、神社建築の見方のポイントもご教示いただきました。
寺社建築の屋根はいくつかのパターンがありますが、菅原神社本殿の屋根は流造に分類されます。
日本国内に最も広く分布している建築形式が流造です。

切妻屋根で、妻面が側面にあり、屋根が上から下へ優美な曲線を描いているのが特徴です。
屋根の勾配はきつくなく、前面に長く流れるように庇の位置まで延びていて、屋根と庇が一体になっているのが特徴的です。屋根の一方が長く、一方が短く、不均衡になっているので見分けやすい造りです。


これに対して屋根が正面に対して三角に見えるものを春日造と言います。
奈良の春日大社によく見受けられる屋根の形です。

伊勢神宮は20年に一度、式年遷宮が行われますが、これは伝統文化技術の継承のためであり、神の依り代としての「常若」を維持するという考え方が根底に流れています。

2021年11月12日~11月15日までの期間限定でいつもは非公開の寝屋川市指定文化財、菅原神社本殿が特別公開されています。
大変貴重な資料の公開ですので、この機会に寝屋川市の文化と歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

寝屋川市の歴史についてもっと知りたい方はこちらのバックナンバーをご覧ください。
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菅原神社はここ↓↓↓

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