【寝屋川市】寝屋川市の歴史を紐解くシリーズ第10弾!市の無形文化財に指定されている新成人による三井のお弓式。今年の開催は?
寝屋川市に伝わる友呂岐神社(香里本通町)の神事に、古くから近郊に知られた「三井のお弓式」があります。
元和元年(1615年)徳川家康の武運長久と五穀豊穣、悪魔退散を祈願すると共に、その年の吉凶を占う為に正月八日八つ時(午後2時)に御弓式行事を行い、近郊の人々は恩恵を受ける為に参詣していたといい、この行事が今も続いています。
寝屋川市に伝わるこの伝統行事は平成19年11月3日に市の無形民俗文化財に指定されています。
このお弓式は古来、毎年成人の日に、旧三井氏神社跡で行なわれている伝統行事です。
近年では「成人の日」の前日の日曜日に、友呂岐神社で行われています。
2021年は1月11日が成人の日ですので、本来ならば1月10日の日曜日にこのお弓式が執り行われるはずでした。
しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、成人式については、各中学校毎に分散して式が行われることになっていますが、『三井のお弓式』については、中止が決定しています。
残念ながら今年のお弓式は開催されませんが、令和2年1月12日(日)に行われた昨年のお弓式を取材に基づいて、ご紹介します。
まず最初に友呂岐神社の本殿でご祈祷が行われます。
友呂岐神社で神事が行われたあと、隊列を作って美井の町を練り歩き、旧三井氏神社跡まで移動します。
雅楽とともに町内を練り歩き、旧三井氏神社跡まで到着しました。
旧三井氏神社跡で再度神事が行われます。
ここは元三井氏神社のあったところですが、現在は社殿がありませんので、テントの下で神事が執り行われます。
ご祈祷が終わると、公民館に移動します。
このお弓式には毎年、大勢の見物人が訪れ、見物客には甘酒が振舞われます。
古式に則り、八つ時(二時)にお弓式が始まりました。
弓は交互に2本ずつ3回、計12本の矢を射ます。
12本の矢は1年を意味し、矢の当たり具合で天候と豊凶を占います。
昔は、村役有力者の子弟が紋付・かみしも姿で弓を引きましたが、現在では地元から選ばれた20才の若者2人が引くようになっています。
さて、昨年の矢の当たった場所による天候の占い結果ですが、1月は南からの強い風と高めの気温、2月も南風で気温は高め、3月はやや気温が低め、4月は西風が強い、5月は的の中心に近く比較的穏やか、6月は的の下に外れ、地震がある恐れがあると示唆しました。
7月は例年通りの穏やかな夏、8月は猛暑が予想され、9月は気温が低め、10月は穏やかな月、11月は北からの風が強く早めの寒波到来、12月は中心に当たり、穏やかな年の瀬を迎えられそうと予想されました。
昨年は天候よりも新型コロナウイルス感染症の感染拡大に翻弄された1年となりましたが、本来、悪魔退散を祈願して行われるこのお弓式が開催できないのは残念な話ではあります。
【寝屋川市】今年はどんな年に?令和2年1月12日(日)友呂岐神社で新成人による三井のお弓式。12本の矢で今年の天候と豊凶を占う伝統行事。
こちらは、寝屋川市が作成した過去のお弓式の様子です。
長きに渡って受け継がれてきた伝統行事ですので、今年は疫病退散を祈念し、来年にはまた復活できることを願います。
友呂岐神社はここ↓↓↓