【寝屋川市】無色透明の変人、Kazuo。スクラップブッキングから役者まで、何者でもないからこそ放てる”笑顔の魔法”

大阪府

幾つもの顔をもつ。大阪府寝屋川市「Kazuo(かずお)」さん

何かのきっかけで彼女に出会った人は、その引き出しの多さに驚くはず。

あるときは、色鮮やかに写真を彩るスクラップブッキングの講師。またあるときは、文字から深層心理を読み解く筆跡診断士。そして舞台に立てば、ママバンドの脚本・演出・役者までこなす表現者に。さらには、街に笑顔を届けるクラウン(道化師)としての顔まで持っています。

Kazuoさん

彼女の名前は、Kazuo(かずお)さん。

じつは、寝屋川市教育委員会の生涯学習ボランティア「まちのせんせい」に3つのジャンルで登録している“公認のスペシャリスト”でもあります。

メイクアップの様子

「みんなを喜ばせたい、笑顔にしたい」 その一点を原動力に、ジャンルを飛び越えて活動するKazuoさん。

なぜ彼女は、これほどまでに姿を変えながら活動を続けているのでしょうか。どれか一つに固定されず、必要な姿で人を喜ばせていくKazuoさんの活動に迫ります。

【活動1】写真を”宝物”に! スクラップブッキング講師

一つ目の顔は、スクラップブッキングのインストラクターです。

アメリカ発祥のスクラップブッキングは、写真をそのまま保管するのではなく、色や柄がついた紙・飾りなどでデコレーションし、装飾していくクラフト作業。

学生の頃から写真が好きだったというKazuoさん。写真を残す手段として、スクラップに惹かれていきました。2009年、インストラクターの資格を取得し、はじめは自宅などで開講。2014年からは「まちのせんせい」の認定を受け、寝屋川市内の学校や園などで思い出作りを手伝っています。

スクラップブッキングの様子

保護者向けの講座(提供:Kazuo)

写真を劣化させず長期保存できるよう、酸を含まない材料(アシッドフリー)を使用して装飾を行います。

スクラップ講習中

提供:Kazuo

親子や保護者向けの講座では、我が子の写真を持ち寄って作るパターンが多いそう。何年か後に見返すと、「そういえば、この頃はこのオモチャが好きだったな」と思い出を振り返るきっかけになります。

園児向けのスクラップ

園児向けの講座(提供:Kazuo)

園児対象の講座では、「作ったものを持ち帰って家族に見せている姿を想像しながら、キットを準備した」というKazuoさん。

スクラップブッキングの魅力は、「誰もが笑顔になれるところ」だと話します。「自分だけで楽しむ趣味もいいけど…スクラップは、作っている本人も楽しいし、持って帰ったら家族も笑顔になる。プレゼントしたら喜んでもらえる。みんなが嬉しくなれるんです」。

国松保育園でのスクラップ

提供:Kazuo

最近はデジタルツールのアルバムで完結させてしまう人も多い中、「写真をプリントして、モノとして残す喜びがある。撮って終わりではなく、記念日に作りたいと思ってもらえるといいなと思います」。

【活動2】性格分析して開運!? 「筆跡診断士」

「まちのせんせい」としての二つ目の活動は、筆跡診断士。2025年に資格を取得し、活動をはじめたばかりです。

筆跡診断士としてのKazuoさん

提供:Kazuo

筆跡診断とは、文字の癖を読み取り、その人の心理や性格を分析する統計学。

実家が看板屋だったため、看板の字を書いている父親の姿をずっとそばで見てきたKazuoさん。幼い頃から「文字の書体っておもしろいな」と感じていたことが、筆跡に興味を持つきっかけになりました。

筆跡診断士は、筆跡をただ分析するだけでなく、よりよい人生にするためのアドバイスも行います。Kazuoさん自身も諦めがちだった性格が変わっていったり、人脈が広がっている実感があるのだとか。

「文字の書き方を変えることで、人生が変わる。性格を分析しながら、開運のアドバイスもできるのが面白いですね」とKazuoさん。

筆跡診断中

実際に、筆跡診断を行っている様子がこちら。

今回は、診断を受けてみたいという雑貨屋ohacoの2人が撮影に協力してくれました。

筆跡診断中の写真

架空の宛名などをその場で書いてもらい、書き方の癖を見つけていきます。「下に広がっている人はこんな傾向」「実はこういう心理が隠れているかも」などと分析をした後は、「お金が入ってくる書き方」「物事が循環する書き方」などをアドバイス。

美しく正しく書くことを目指すというよりは、なりたい方向にあわせて書き方を変えるという、「自分に合わせた筆跡」を見つけていきます。

診断中の写真

2人とも、「そんな心理が隠れてるんや!」「この書き方、練習して習慣にしたい!」など、驚きや収穫があった模様。

「たとえば、相手の文字を見て”この人、リーダータイプだな”と思ったら、”自分はサポートに回ろう”と決めるとスムーズになる。円滑な人間関係にも活かせます」とのことでした。

【活動3】演出に役者まで! ママバンドぷちみるくの脚本家

Kazuoさんが重きを置いている活動は、母親・主婦らで結成されている「ママバンドぷちみるく」

総勢21名からなるグループを、リーダーと共に引っ張る重要な立ち位置です。

ジモトマルシェのぷちみるく

ママバンドぷちみるくは、かつて軽音楽部・吹奏楽部で青春を過ごした母親たちが「ママになっても音楽をしたい! 音楽で子育て中の親御さんを応援したい」という願いから、2007年夏に結成しました。

結成後、「進行してくれる司会がほしい。手伝ってくれないか」と誘われ、Kazuoさんは2007年冬に仲間入りしたそう。

加入後、Kazuoさんは「せっかくなら、ストーリー仕立てにしてみよう」と提案します。

演出をしている様子

じつは、演劇に大きなゆかりのあったKazuoさん。

ミュージカル「阿国」の木の実ナナさんの演技に惹かれ、中学校では演劇部に所属したり、高校時代の文化祭では阿国をアレンジしたミュージカル脚本を作って、披露。その後も劇団やスクールで舞台活動をしていました。

劇団員時代のKazuoさん

劇団員時代、福井県の恐竜博にて(提供:Kazuo)

ぷちみるくに誘われた当時はいったんお芝居から離れていたものの、”そんな自分を活かしたい”と考えました。

リハーサル中のぷちみるく

立ち位置や見え方を確認するKazuoさん(写真中央)

「司会をしてほしかっただけなのに、すごいことになった(笑)」と当時のメンバーはざわついたそうですが、現在ではそのスタイルがすっかり定着。

楽器を演奏するだけではなく、ストーリーを展開していきながらパフォーマンスするのが、他にはないぷちみるくの持ち味になっています。

お芝居中の写真

脚本から演出、そして自ら役者までこなすKazuoさんについて、メンバーは「安心感があって頼りになる存在。意識が高くてプロ根性がある」「一点だけじゃなく、周りのすべてを見てる。もちろんみんな欠けちゃダメだけど、彼女がいなかったら19年間も続いてないと思います」と話していました。

ママバンドぷちみるくのステージ

「まちのせんせい」経由での依頼のほか、幼稚園や保育所、地域のお祭り、高齢者施設などから直接依頼を受け、演奏を行っているぷちみるく。

「子どもたちやお客さんに笑ってもらえるのが一番うれしい。現在は寝屋川市周辺がメインですが、全国の人に観てもらいたいですね」と、Kazuoさんは野望を抱きます。

【活動4】おどけて笑いを取る! ねやがわクラウンズ

最後の顔は、クラウン(道化師)

サーカスの幕間に登場してお客さんを楽しませるイメージがあるように、コミカルな動きや格好で場を賑やかにする存在です。

Kazuoさんが所属するグループは「ねやがわクラウンズ」。寝屋川市内のイベントなどでショーを披露しています。

ねやがわクラウンズのショー

きっかけは市の広報誌で「クラウンワークショップ募集」の情報を見つけたこと。プロとして活動するG・E-JAPAN主催の白井博之さんが講師となり、アルカスホールでワークショップを開くというお知らせでした。

ねやがわクラウンズのみなさん

提供:Kazuo

ワークショップ終了後、集まったメンバーたちが「このまま解散したくない、もっと続けたい!」と白井先生に直談判。こうして2018年11月、「ねやがわクラウンズ」が生まれ、現在も白井先生の指導を受けながら練習に励んでいます。

ポン吉(ねやがわクラウンズ)

メイクや衣裳は、メンバー一人一人にあわせて白井先生が考案。かわいらしい服装を身につける機会が少ないというKazuoさんは、「むず痒い気もするけれど、せっかく女の子の命を吹き込んでもらったからには、これからもしっかり演じていきたい」と話します。

ねやがわクラウンズは2026年6月6日に神戸で行われるクラウンパレードにも参加する予定で、市を飛び越えた活動にも注目が集まります。

「得意なこと」が地域の宝になる

上を向いている写真

写真や文字、演劇という好きなことを「スクラップブッキング」「筆跡診断」「ママバンドぷちみるく」の活動に昇華し、まちのせんせいとして活動しているKazuoさん。

「”まちのせんせい”という響きも好きだし、素敵な取り組みだと思います。たとえばプレ幼稚園などで保護者向けにスクラップ講座を開くと、市が保育の仕組みを用意をしてくれる。保護者にとっては、貴重な自分の時間になりますよね」

「私のほかにも、個性豊かな”まちのせんせい”がいっぱいいるから、いろいろな人に知ってほしい」とのことでした。

何者でもない“変人”が生む、笑顔の魔法

寝屋川市・Kazuoさん

取材の最後、「自分に肩書きやキャッチコピーをつけるなら?」という問いに、Kazuoさんは「肩書きはないし…自分でも、自分が何者なのかわかりません。まあ、”変人”ですよね」と笑って答えました。

その言葉には、必要に応じて姿を変えながら、人の笑顔を生み出してきた歩みがにじみます。

スクラップ、筆跡、舞台、クラウン。どの活動も、誰かの心をふっと明るくするもの。さまざまな場で、彼女が放った“笑顔の魔法”が広がっています。

撮影協力:雑貨屋「ohaco」はこちら↓

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