【寝屋川市】香里園から広がる”がんばらなくていい”写真文化。「今しかない子どもの瞬間を切り取る」カメラマン今道悠人さん(Union photostudio)
2025年9月、香里園に新しい風を巻き起こしそうなフォトスタジオがオープンしました。キッズ専門のフォトスタジオ、「Union photostudio」です。カメラマンは今道悠人さん。

今道さんが大切にするのは「どんな子にも、どの瞬間にも、魅力がある」という考え。イヤイヤ期や落ち着きのなさから「ちゃんと写真が撮れないんです」と悩む親御さんにも、「大丈夫ですよ」と優しく声をかけます。
泣いている姿もかわいい。「できない」も成長の証
慣れない場所での撮影は、身構えてしまうのも当たり前。今道さんはそんな子どもの気持ちを汲み取り、寄り添います。
スタジオに入ってきた瞬間から「この子はどんな状態で、どんな気持ちなのか」と観察しているという今道さん。決して無理に距離を縮めようとはせず、状況を見ながら少しずつ心をほどいていきます。

ヘアメイクブースに入り、ヘアメイクさんと打ち解ける橋渡しをすることも
「たとえ泣いてしまっても、そんな姿もかわいいなって思うんです」「人見知りをしたり怖がってしまうのも、周りが見えるようになってきた証拠。そこまで成長してきたんだって思う」と語る今道さん。
「ちゃんとできなくてごめんなさい」と謝る親御さんもいるそうですが、「何もダメなことはない、謝る必要なんてひとつもない」とキッパリ。もちろん危険のないようには気をつけながら、その子らしさを切り取ることに力を注ぎます。
今しかない「この瞬間」を残したい

取材日に行われていたのは七五三の撮影。いちど見学に来たことはあるものの、今道さんに撮影してもらうのは初めてだという男の子です。繰り返す言葉から、通っている園での「好きなもの」を発見した今道さん。

最初は緊張した面持ちだった男の子も、好きなものの世界を共有できたことで心を開いていきました。きれいな光が入る場所へと自然に誘導し、カメラを構えます。

七五三は、伝統を重んじてビシッとしたポーズでも撮影。集中できる前半に組み込みます。

いつの間にか、自然な笑顔がたくさん生まれてきました。

がんばらなくていいんです。
笑おうとしなくてもいい。ただ、少しずつ心をひらいてくれたら、
それだけでこんなにもかわいい笑顔が咲くんです。

シャッターを押すたびに思うんです。
ああ、この笑顔は今しかないんだなって。
もう二度と同じ表情には出会えない。
でも、この光の中で、確かに生きてる。
その「生きてる瞬間」を残したい。

限られた時間の中で複数のパターンを撮影していくのもプロとしての仕事。その子が生き生きする瞬間と、写真として理想のシチュエーションとを繋げていく必要があります。

雨が降ってきたよ! 傘、差せるかな?

上手に差せたね!

得意満面でポーズを決めた後は、いないいないばあをしてみたり。

ご両親が何度も「かわいい〜!」と声に出してしまうように、その子らしさにあふれた時間になっていました。
前スタジオで13年間 キッズフォトグラファーとして活躍
今道さんはもともと建築関係の学校を卒業し、建築系の仕事をしていました。ひょんなことから友人のカメラを使わせてもらう機会に恵まれ、写真の世界に魅せられたそうです。
初めてカメラを触った翌日に、一眼レフを買った

カメラに触れた翌日、さっそく一眼レフを買いに行き、「写真をやろう」と決意。その後、13年間にわたり「エクリュフォトスタジオ」(上新庄、のちに鶴見区へ移転)でカメラマンとして活躍してきました。
ブライダル撮影や広告撮影、スクールフォトなど様々なジャンルに関わってみた結果、今道さんは「自分には子どもの撮影が向いている」と確信。エクリュフォトスタジオでも、主にキッズフォトを担当していたそうです。
香里園にUnion photostudioをオープン

2025年3月末、エクリュフォトスタジオを卒業し、9月には寝屋川市香里南之町に「Union photostudio」をオープン。成人式・マタニティも手掛けながら、キッズフォトを中心とするスタジオです。

モルタルアートはクリエイターの方の作品
今道さんがデザインした空間を、建築会社を運営しているお父様が設計図に起こし、現在のスタジオが出来上がりました。ロゴはグラフィックデザイナーである弟さんが手掛け、家族の力を借りてのスタートです。

着物は伝統柄からアンティーク仕様まで。おしゃれな洋装も取り揃えていました。
原動力は「この子のことを、もっと知りたい」

なぜ子どもを撮り続けるのか。今道さんは、「どんな子でも、”この子のことをもっと知りたい”と思うんです」と話します。

「魅力を探すというよりも、もうすでにある魅力に触れているっていうか。魅力がない子がいない。だから、撮影した子の”その後”はずっと気になってます。成長してまた会いに来てくれたときは、すごく嬉しいですね」今道さんは、親戚のおじさんみたいな感覚かもしれません、と笑います。
いまでも、エクリュ時代に撮影した子が「今ちゃんに撮ってもらいたい」と訪れることがあるそうですよ。
当たり前にある素晴らしさに気づく

「当たり前にあることが、素晴らしいとわかっているけど、そう感じられないときもあると思うんです」と今道さん。そんな”ここにある素晴らしさ”を切り取り、写真におさめ、そして、ご家族から喜びの言葉が届いたときが「なによりも嬉しい瞬間です」。
香里園から広がっていく「がんばらなくていい写真撮影」は、親にとっても、改めて子どもの素晴らしさに気づく時間になることでしょう。
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