【寝屋川市】健診を受けていない人は腎不全になりやすい?大阪大学と寝屋川市が日本腎臓学会にて共同研究成果を発表。

寝屋川市は、市民の生活習慣病等の発症・重症化を予防し、医療費の適正化を図ることを目的に令和元年12月から大阪大学との共同研究を進めています。

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今回、2021年6月に開催された第64回日本腎臓学会学術総会において、これまでの共同研究の成果として、「健診受診歴と医療機関での尿検査、血清クレアチニン検査歴と末期腎不全のリスク」を発表しました。
共同研究では、75 歳以上の高齢男性について、健診未受診で、かつ、医療機関での腎臓の検査(尿検査や血清クレアチニン検査)を受けていない人は、健診受診者に比べて、末期腎不全となり、人工透析に至るリスクが 2.72 倍上昇していることが明らかになり、健診を受診していない人の人工透析に至るリスクが有意に高いことは、末期腎不全の予防等を考える上で、今後の研究に一石を投じるものと評価されています。
透析治療が必要な末期腎不全を予防する上で、腎臓病の早期発見は重要であることから、この研究で得られた成果を活かし、引き続き、健診の受診率の向上や重症化予防に向けた取組を進めていくそうです。

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◇ 研究内容
・ 健診を受診していない人は、受診している人と比較して死亡のリスクが高いことが報告されているが、透析のリスクが明らかでなく、また、健診を受診しない理由として、医療機関で検査を行っていることがあげられることから、健診でも医療機関でも腎臓の検査を受けていない人が透析に至るリスクが高いかを評価した。
・ 寝屋川市の国民健康保険の40歳以上の加入者(特定健診受診対象者)及び 後期高齢者医療制度の加入者の合計 69,147人を対象に、平成 24 年度(2012 年度)における特定健診の受診の有無及び医療機関での腎臓の検査の有無を、 1健診あり、2健診なし・検査なし、3健診なし・検査ありの3群に分けて その後の治療状況を追跡し、人工透析に至るリスクを評価した。

寝屋川市提供

1健診あり(6,523人)と比較して、
2健診なし・検査なし(8,421人)の透析リスクは 1.30倍
3健診なし・検査あり(6,773人)の透析リスクは 2.03倍
・ 75歳以上の高齢男性
1健診あり(2,951人)と比較して、 2健診なし・検査なし(1,412人)の透析リスクは 2.72倍 3健診なし・検査あり(4,589人)の透析リスクは 1.74倍
・ 40歳~74歳の女性 1健診あり(9,880人)と比較して、
2健診なし・検査なし(7,502人)の透析リスクは 2.97倍
3健診なし・検査あり(7,281人)の透析リスクは 6.13倍
・ 75歳以上の高齢女性
1健診あり(4,265人)と比較して、 2健診なし・検査なし(2,809人)の透析リスクは 0.84倍 3健診なし・検査あり(6,741人)の透析リスクは 1.91倍
⇒ 75歳以上の高齢男性では、健診未受診で医療機関での腎臓の検査(尿検査や血清クレアチニン検査)も受けていない人は、健診ありの人に比べて人工透析に至るリスクが 2.72 倍と高く、健診の受診勧奨の重点対象候補として注目すべきである。
※ 女性については、アウトカム発症数〔平成29年度(2017年度)末までの透析発症者数:男性 246人、女性 124人〕が少なかったため、より大規模な研究での評価が必要である。

寝屋川市提供

◇ 研究の優位性
・ 人工透析に至るリスクを報告した研究は、健診を受診している人のみを対象とした研究が多く、健診を受診していない人も対象とする研究はほとんど例がない。
・ 健診データとKDB(国保データベース)のデータも利用し、健診を受診していない人について大規模な分析を行っている点は画期的である。
・ 健診を受診していない人の人工透析に至るリスクが有意に高いことは、末期腎不全の予防等を考える上で、今後の研究に一石を投じるものである。
◇ 日本腎臓学会学術総会での発表
・ 令和3年6月18日から20日の日程でパシフィコ横浜ノースにて開催された第64回日本腎臓学会学術総会で発表。
※ 本研究結果は、現在、国際医学雑誌に投稿中です。
■問合せ先■ 寝屋川市 健康部 健康づくり推進課

大阪大学との共同研究内容について

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寝屋川市では、これまでの国民健康保険医療費分析から、生活習慣病の中でも高血圧や糖尿病が重症化して人工透析(腎不全)になる人が全国に比べて高く※、患者数が多かったことから、平成 23 年度から全国に先駆けて重症化予防事業を実施してきましたが、その効果が見いだしにくい状況にありました。
今回の共同研究では、市国保被保険者・後期高齢者医療被保険者・健診受診者 のデータや、医療費、介護、保健指導等のデータを分析し、これまで実施してきた重症化予防事業等の評価と市の健康課題を分析することにより、今後の健康施策の立案・実施にいかすことをめざしています。
※ 寝屋川市:8.8% 全国:5.3% 大阪府:5.8%
1 研究内容
(1) 重症化予防事業評価
・ レセプト(医療報酬明細書)データから医療費の抑制効果額の「見える化」を検討。
・ 問診項目、教室でのアンケート、健診データの推移から、保健事業の有効な対象層の明確化を検討。
(2) フレイル予防に関する検討
・ 介護保険のデータを分析し、要介護となる市民の特徴の把握。
・ 後期高齢者医療の被保険者のデータを分析し、壮年期から必要な保健事業
の検討。
(3) 地域、職域連携促進のためのデータ
・ 国保加入時点での健康状態を把握し、職域で必要な保健事業の分析。
2 共同研究機関
国立大学法人大阪大学 キャンパスライフ健康支援センター保健管理部門 准教授 山本 陵平 氏、特任助教 芦村 龍一 氏
3 研究期間 令和元年12月2日から令和4年3月31日まで

共同研究者のプロフィール
山本陵平 氏
・大阪大学キャンパスライフ健康支援センター保健管理部門准教授及び医学系研究科腎臓内科学兼任准教授
・2000年大阪大学医学部医学科卒業後、腎臓内科医として腎臓病患者の診療に携わる。現在、大阪大学キャンパスライフ健康支援センターで大阪大学の学 生・職員の健康管理を支援しながら、大阪大学医学部附属部病院で腎臓病患者の診療を行っている。
芦村 龍一 氏
・大阪大学キャンパスライフ健康支援センター保健管理部門特任助教
・2012年島根大学医学部医学科卒業後、腎臓内科医として腎臓病患者の診療に携わる。現在、大阪大学キャンパスライフ健康支援センターで腎臓病や生活 習慣病に関する疫学研究を行っている。

情報提供は、寝屋川市企画3課よりいただきました。

寝屋川市役所はこちら↓↓↓

2021/07/24 07:18 2021/07/24 23:16
neyamon

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