【寝屋川市】木を切ったり草を刈ったりするとお腹が痛くなると云われてきた細屋神社が八幡神社にお引越しした理由とは?
細屋神社は、市内に三社ある式内社(しきないしゃ=平安時代に編纂された『延喜式(えんぎしき)』に記載されている神社で延喜式内社ともいわれます)の内の一社で神楽田(かぐらでん)という小字の地に鎮座していました。
祭神については不明ですが、古い記録等に「天神」や「星屋」というのがみられることから、天をまつる神社・星をまつる神社と考えられます。
この神社には、境内の木を切ったり、草を刈ったり、近くの小川の魚をとると腹が痛くなるという言い伝えがありますが、秦(はだ)・太秦(うずまさ)の人々だけは別だといわれています。村の人々とこの神との結びつきをうかがい知ることができます。
こちらが細屋神社の様子を2012年に撮影した動画です。
鎮守の森の中に静かに鎮座する細屋神社の様子が見て取れます。
そんな細屋神社ですが、お盆に久しぶりに寝屋川に帰ってきた方から、「細屋神社が見当たりません。どこに行ったのでしょう?」というご質問があり、2020年8月15日に訪れてみますと、サイクルロードはちかづきの細屋神社の道標はそのままで、洪水でも沈まないようにかさあげされた鳥居も健在でした。
しかし、細屋神社の本殿は既に取り壊されていて、ありません。
長年、木を切ったり草を刈ったりするとお腹が痛くなると言われてきた細屋神社のこの状態を見ると驚いてしまいますね。
実は細屋神社は寝屋川を渡った先にある八幡神社の敷地内に7月18日に遷座されていました。
橋を渡って、ご遷座先の八幡神社に行ってみました。
八幡神社の本殿横にはブルーシートの建築現場があり、その中には再建中の細屋神社の本殿が、姿を現していました。
八幡神社本殿の掲示板によると、2020年7月18日に、細屋神社のご神体は、八幡神社本殿に仮遷座し、7月25日に細屋神社本殿の移築工事の地鎮祭という日程だったようです。
8月15日の時点ではここまで建てられていました。
さらに、8月24日に再度訪れましたら、工事がここまで進んでいました。
こちらは八幡神社の井戸の底にいるお地蔵さんの話です。
昔は雨が降らない日が続くと雨乞いを行っていたことが記されています。
この八幡神社も、2012年9月放火により社殿が焼失したことから、2年後の2014年に再建された新しい社殿となっています。
こちらの動画は2012年3月の焼失半年前の八幡神社の貴重な映像です。
さて、細屋神社(写真右の森になっているところ)の遷座は何故行われたのでしょうか。
寝屋川市の平成30年度 第2回寝屋川市都市計画審議会の報告書(平成31年2月18日まち政策部 都市計画室)に以下のように書かれています。
太秦桜が丘地区は、周囲を一級河川寝屋川及び打上川治水緑地に囲まれており、主要地方道枚方交野寝屋川線の沿道に位置していて、現状の土地利用は、大部分は農地で占められているが、飲食店や資材置き場が混在しており、市街化調整区域であり、かつ、幹線道路沿道であることから、無秩序な土地利用が進むなどの懸念があるため、計画的な土地利用を誘導する必要があります。
このようなことから、豊かな地域資源や幹線道路沿道という恵まれた立地特性を活かし、緑豊かで快適な市街地の形成を図るため、地区の特性を活かした沿道型の商業・サービス施設等の立地を誘導し、緑豊かで快適な市街地の形成を実現することを目標とします。
それでは、具体的にはどのような開発が行われるのでしょう。
赤線で囲まれているのが、都市計画の決定地域となります。
赤線で囲まれているのが、都市計画の決定地域となります。
黄色でマークしているのが細屋神社(遷座前)と八幡神社(細屋神社の遷座先)です。
このように1haにも及ぶ現在の資材置き場や未利用地がセレモニーホールや飲食店舗として開発されます。
現在、コナズ珈琲のある場所の裏手の鎮守の森が細屋神社でした。
細屋神社のあった場所は計画によりますとA棟の建設される場所にあたります。
古来から地元の守り神であった細屋神社は、正式な形で遷座されました。
八幡神社内に新しいお社が建てられて、今後も大切に祀られていくことと思います。
しかし、元の細屋神社があった場所の鎮守の森は、「木を切るとお腹が痛くなる」と言い伝えられて守られてきたものですので、飲食店の開発においても、歴史や景観に十分に配慮したデザインとなることを期待したいですね。
細屋神社のあった場所は計画によりますとA棟の建設される場所にあたります。
古来から地元の守り神であった細屋神社は、正式な形で遷座されました。
八幡神社内に新しいお社が建てられて、今後も大切に祀られていくことと思います。
しかし、元の細屋神社があった場所の鎮守の森は、「木を切るとお腹が痛くなる」と言い伝えられて守られてきたものですので、飲食店の開発においても、歴史や景観に十分に配慮したデザインとなることを期待したいですね。
細屋神社(遷座後)はここ↓
neyamon
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