【寝屋川市】寺地はるなの小説『水を縫う』は寝屋川市を舞台にした6人の家族の物語。作者の寺地はるなさんに独占インタビュー。

2020年5月26日発売の寺地はるなの『水を縫う』集英社刊は、寝屋川市を舞台にした文芸小説です。
この表紙のイラストは寝屋川の風景です。

水を縫う

「男なのに」刺繡が好きな清澄くん。

「女なのに」かわいいものが苦手なお姉ちゃんの水青。

世の中の〈普通〉を踏み越えていく、6人の家族の物語です。

教室

第1章の始まりは、高校の入学式の日の教室。
最初の場面で、主人公の松岡清澄が「寝屋川○中から来ました。部活は、まだ決めていません。」と自己紹介するところから始まります。

水を縫う

これは是非お話をお伺いしたいと思い、先日、『寝屋川アビゲイル 黒い貌のアイドル』の著者 最東対地さんとお会いした日乃出マーク製作所(2020.8.20から一旦休業)で、『水を縫う』の著者である寺地はるなさんに、独占インタビュー。

寺地はるな

__はじめまして。『水を縫う』は寝屋川市を舞台にした小説とのことですが、はるなさんのご出身は、寝屋川なのですか?

「いえ、わたしは佐賀県の生まれなのですが、結婚してから大阪に住んでいます。」

__そうなんですね。寝屋川の人は、「寝屋川?なん中?」って聞くのが挨拶みたいなところがあって、そこから話が始まるんです。
それで、この小説の寝屋川〇中にもモデルがあるのかなと思ったんです。

「学校に特にモデルがあるわけではないのですが、この小説は、萱島駅周辺を散歩しながら見たり、感じたりした情景を描写しています。」

__ということは、この表紙のイメージも萱島駅周辺の光景ということなんですか?

「そうですね。萱島駅から見た寝屋川の風景をイラストレーターの生駒さちこさんに描いていただきました。」

水を縫う』

 

__とても、やさしいタッチのイラストで学ラン姿の清澄くんが、寝屋川の水の流れの中に立っていますね。
最近はブレザーの制服の高校が増えていますが、寝屋川高校は今も学ランです。

「そうなんですね。高校についてもモデルがあるわけではなく、架空の高校なのですが、清澄くんの住んでいるところは寝屋川市で、川のあるところです。」

__寝屋川の光景を思い浮かべながら読みたいですね。
はるなさんが、小説家になろうと思ったのはどういったきっかけですか?

「九州で会社勤めをしていて、結婚して大阪に移り住み、大阪でも仕事をしていたのですが、出産して子どもが1歳ぐらいになった時に、近くに知り合いもいないし、話し相手もおらず、自分の中に溢れるものを吐き出したい、なにかを始めたいと思い立ち、子育てしながら小説を書き始めました。
それまでは本を読むのが好きでしたが、作品として書き始めたのはこれが初めてで、この時に書いた作品『ビオレタ』を応募しましたらポプラ社小説新人賞(2014年)に入賞し、作家デビューとなり、今に至っています。」

__流れる水は淀まない…これが『水を縫う』のテーマであり、はるなさんの生き方でもあるのですね。この5年ほどで10冊以上出版されていますね。
子育てをしながらの執筆活動ということですが、締め切りに追われたりしませんか?

「そうですね。連載物が多いので、先に大筋を設計して、締め切りに合わせて書いていきます。
今は、おじいちゃんの若い頃のことを書いているのですが、なかなか1960年代の資料が集まらなくて。お父さんは若い頃何をしておられました?」

__わたしの父ですか?ちょうどその世代でしょうか。高度経済成長期を支えるサラリーマンでしたよ。大阪万博にも行きました。寝屋川市はまだ田んぼや蓮池がたくさんあって、家の前は舗装されていない道がほとんどでした。グリコがポッキーの市場調査に寝屋川市を選んだくらいなので、若い世帯が大量に移り住んだ時代ですね。

「ありがとうございます。逆にこちらが取材させてもらって。ポッキーのことも知りませんでした。とても参考になったので、作品に反映させたいと思います。」

__こちらこそ、わたしの昔話がお役に立ってうれしいです。
作品に活きると思うととても楽しみです。
5月26日発売の『水を縫う』は、重版になっていてTBSの番組『王様のブランチ』でも紹介されたということで、
イズミヤのアミーゴ書店にPOPがついてました。

『水を縫う』は大阪が舞台の家族小説として紹介されたようですが『王様のブランチ』は全国ネットなのに大阪では放送されてないんですよ。
大阪では土曜日の『せやねん!』の放送時間ですね。なので実は私も放送内容はよく知らないんです。

__それは残念ですね。放送見たかったですね。
今日はお忙しいところ、貴重なお話を聴かせていただきありがとうございました。

水を縫う

2020年7月の新刊の『やわらかい砂のうえ』祥伝社も好調で、2019年4月発売の『夜が暗いとはかぎらない』ポプラ社は山本周五郎賞候補となっています。

やわらかい砂のうえ

寝屋川本としてご紹介した『水を縫う』は、世の中の<普通><当たり前>から弾かれ、痛みを抱え生きている6人が、一歩前へ踏み出していく姿を描き出す寺地さんのやさしさが溢れる家族小説です。
筆者も『水を縫う』と『やわらかい砂のうえ』の2冊にサインしていただきました。
トレードマークのうさぎさんのイラストも描いてくださり、感激です。

やわらかい砂のうえ

寺地はるなプロフィール

佐賀県唐津市出身。 32歳で結婚し、大阪府に転居。会社勤めと主婦業の傍ら、小説を書き始め、別名で応募した作品が第29回・第30回太宰治賞、第10回日本ラブストーリー&エンターテインメント大賞の最終候補となる。2014年「ビオレタ」でポプラ社が主催する第4回ポプラ社小説新人賞を受賞してデビュー。
他の作品に『大人は泣かないと思っていた』(集英社)、『正しい愛と理想の息子』(光文社)、『架空の犬と嘘をつく猫』(中央公論新社)があり、2020年『夜が暗いとは限らない』で第33回山本周五郎賞候補。
2020年5月寝屋川を舞台にした『水を縫う』集英社、7月に『やわらかい砂のうえ』祥伝社が発売された。
好きな作家は田辺聖子、姫野カオルコ、町田康
趣味は『水を縫う』にも出てくる
刺繍

寝屋川市縁の作家には、ねやがわPR大使の又吉直樹さん、門井慶喜さんがいらっしゃいます。

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1985年に出版された田辺聖子さんの『ジョゼと虎と魚たち』角川書店刊も、‘’大阪府N市‘’を舞台としていて、大阪府には寝屋川市の他にはNが頭文字の市がないことから、寝屋川市が舞台と言えますが、2003年に公開された実写版映画のロケ地は寝屋川ではありませんでした。
しかし、35年の時を経て、この夏公開予定だったアニメ版の劇場公開が12月25日と決定し、流れている予告に萱島駅前の萱島橋が登場します。
この映画については、後日お知らせいたします。

萱島駅周辺

川の流れる街、寝屋川市を文芸で盛り上げていきたいですね。
寝屋川を舞台にした文芸小説、寺地はるなさんの『水を縫う』是非、読んでください。

萱島駅

萱島駅はここ↓

 

neyamon

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