【寝屋川市】オンキヨーが破産手続き開始を申し立て。日新町に本社があったオーディオ機器の名門。
オンキヨーホームエンターテイメント株式会社は、2022年5月13日、大阪地方裁判所に破産手続きを申し立て、開始が決定したと発表しました。
オンキヨー本社は、最終は東大阪市に移転しましたが、1946年に、松下電器産業でスピーカー製造工場の工場長を務め、松下電器から独立した五代武が大阪電気音響社として創業し、2020年まで日新町に本店登記があった音響メーカーでした。
1998年、長期に続く赤字の影響で主要工場および1972年より本社であった寝屋川市の日新町と香里園の敷地を、技術センター等の一部施設を残し大幅に縮小しました。
跡地は現在、アル・プラザ香里園などの商業施設やマンション、寝屋川生野病院などになっています。
同社は、2019年5月にホーム AV事業の売却について Sound United LLC の持株会社である ViperHoldings Corporation と合意に至り、事業売却代金で債務の解消及び資金繰りの改善を図る予定でしたが、2019年10月4日にこの事業譲渡が中止となり、全社的な合理化を行うと発表しました。
当時保有していた大阪 北浜本社/大阪 寝屋川技術センター/東京 両国オフィスの3拠点の再編成を実施し、大阪では2020年2月25日を目処に、東大阪市へ本社を移転し、同時に設計技術機能を統合、1拠点に集約していました。また、東京オフィスは当時の約4分の1に規模を縮小、東大阪本社を「モノづくり拠点」、東京オフィスを「マーケティング拠点」とする2拠点体制により、固定費の削減と事業活動の効率化を図ることにより、販管費は100億円以下の水準に抑えられる見込みでした。
これにより、長年にわたり、寝屋川市に事業所があった世界的な音響メーカーは、東大阪市に移転し、現在日新町の跡地は寝屋川生野病院の駐車場となった経緯があります。
2022年5月13日に発表された同社の破産手続開始の申立てに関するお知らせによると、2021年3月期に二期連続の債務超過となり、上場廃止となることが決まりました。その後も、会社継続のためのあらゆる可能性を模索し、ホーム AV 事業の譲渡など主要な事業や資産の譲渡による生き残りを図りましたが、厳しい資金繰りの中、債務を完済することができなかったとのことです。事業譲渡等の後に残った国内販売事業やOEM事業についても子会社二社が資金難から事業継続することができず、2022年2月に事業を停止、3月に破産申立てに至っています。子会社の破産後においても、同社は、ホームAV事業譲渡に伴う手数料収入を得ながら小規模にビジネスを続けようとしましたが、かねてから続く半導体の供給問題が一向に改善されなかったこともあり、資金繰りの悪化を止められず、このたび、破産手続開始の申立てを行う決断に至ったということです。
オンキヨーは、質の高い音響機器を製造、長年にわたり、寝屋川市日新町に本店を置き、松屋町にあった大阪メーター製造株式会社(2014年に破産)とともに、香里園に広大な工場を持ち、寝屋川市の経済の発展に貢献した会社のひとつです。
オンキヨー製品のファンは、全国にいましたが、近隣ではパートタイムで働いた人も多く、思い出のある方も多いと思います。
タクシーメーターなどを製造していた大阪メーターが破産した時も時代の流れを感じましたが、今回のオンキヨーの破産も時代の流れを感じますね。
オンキヨーの音響機器を愛用している方は今後貴重なものとなりますね。
【寝屋川市】日新町に本店があるオンキヨーが今後の事業戦略を発表!北浜本社、寝屋川技術センター、両国オフィスを集約して東大阪市に移転。
2020年までオンキヨーの本店があった場所(日新町2-1)